非モテが相席居酒屋に行った話
前回の合コンから3ヶ月。
バイト先の元先輩、翼さん(仮名)から久しぶりに連絡があり、「田中くんにぴったりの場所がある」と連れられたのが相席居酒屋でした。
翼さんは一緒のバイト先で働いていた男の先輩で、この時は既に就職して辞めています。
優しい人で特に僕にはよくしてくれるいい先輩なのですが、少し変わった人でもあります。
(エピソードの一部)
・睡眠不足アピールがすごい
・他人が睡眠時間の話をしていると「寝すぎだよ」と張り合ってくる
・「3時間しか寝てない」と言う友達に対し、「僕は2時間59分だよ」とマジ顔で言う
・お酒は強いらしいがバイトの飲み会では毎回「昨日寝てない」「明日早い」「既に飲んできた」「ここのお酒は飲み飽きた」等の理由で飲まない
・歩く速さを自慢してくる
ツッコみたくなるような事を大真面目で言うのが翼さんです。
翼さんには彼女がいる上、風俗やこういったお店の話はしない人なので誘われのは意外でした。何年も前から彼女を作ると言っているのに一向に出来ない僕を見かねたのかもしれません。
前から行きたいとは思っていたものの、いざ店の前まで来ると「これから女の子に評価される」という恐怖で立ちすくんでしまいましたが、翼さんに物理的に背中を押され、なんとか入店。
店内は暗いファミレスみたいな感じで、身分証を見せたあとドリンクを渡され、その後席に移動という流れだったのですが平日だからか男3組に対し女性は0組。しばらくは女性と相席しないようです。相席してない間は無料らしいのでとりあえず一安心。
30分ほど経ち店員に「まもなく相席です」と言われ遂に相席の瞬間。心臓はバクバクです。席に着いたのは少し年上っぽいOLの女性達。誰似とかは覚えてませんがわりと若めでした。いよいよ会話が始まる訳ですが、自己紹介も終わらぬ内に翼さんは「好きな声優はいますか?」「山口勝平って知ってますか?」と暴走を始めます。勿論女性は声優どころかアニメの話すらしてません。このままではさっき2人の時に見せられた『声優ラジオの文字起こし動画』を女性に見せるのも時間の問題です。
僕は女性が退屈にするのが怖かったので、なんとか笑わせることにしました。
しかし女性経験のない僕にそんな話術があるはずもありません。
僕は『異常にキョドることで、ツッコんでもらったり笑ってもらう』作戦に出ました。目を手で隠したり、お腹を擦ったり、体を震わせたりしてみました。
完全に愚策でした。
一応翼さんもツッコんでくれ、女性達も「緊張しすぎだよww」「かわいいww」的な感じで笑ってくれましたが、見世物になっただけで会話になっていません。
その後も翼さんは会話をリードしてくれるのですが、どうしてもズレてる気がしてなりません。(僕が女性との会話経験がないだけで普通なのかもしれませんが……。)
ズレた話をする男と、異常にキョドる男。
当然二次会など行けるはずもなく、30分ほどたったあと、男女比の関係で女性が移動し終了。
これが違うタイプのコミュ障2人が相席居酒屋に行った末路です。
ちなみに会計は翼さんが払ってくれました。
【反省点】
その場の空気を意識しすぎて見世物化してしまい、結局何も成長出来ませんでした。下手くそでも、ちゃんとした会話をするべきだったと思います。
【相席居酒屋の評価】
手軽さ…●●●●○
楽しさ…●●●○○
可能性…●●○○○
店に行きさえすれば、基本的には女性と相席できるので"手軽さ"は高め。
ただ、今回は分からないがタダ酒目的の女性もいると聞くので"楽しさ"と"可能性"は低め。